■一言解説
アメダス「AMeDAS」とは、Automated Meteorological Data Acquisitionの頭文字をとったもので、地域気象観測システムである。現在、降水量のアメダス観測点は約1300地点で、地域分解能では約17km四方に1地点の割合で配置されている。また、約840地点では、降水量に加えて風向・風速、気温、日照時間の観測も行っている。積雪地域では、約200地点で積雪深も観測されている。測器は10分ごとに自動的に計測を行い、結果は毎正時に公衆電話回線を通じて約5分以内に地域気象観測センター(アメダスセンター)に集められる。ここでチェックを受けた後、正時のデータが定時報として、気象庁のコンピュータと気象資料伝送網(ADESS)回線を使って、全国の気象官署ほか各ユーザーに正時から6分以内に配信される(図1)。
■詳解
このシステムが構築された背景には、気象官署の観測だけでは地域分解能の粗いデータしか得ることができず、集中豪雨や暴風などの局所的な気象現象を把握できなかったことが挙げられる。地域分解能で約17km四方に1地点、これだけ密に配置しても、すべての豪雨を把握できるとは限らなかったが、レーダー観測と組み合わせることで十分な地域分解能を得ることができるようになった。風向・風速に関しては、地物の影響を強く受け、降水に比べて局地性が大きいため、空間分解能の改善が今後の課題である。観測測器は、気温は白金抵抗温度計、雨量は転倒ます型雨量計、風向・風速は風車型風向風速計、日照は太陽電池式日照計、積雪深は超音波積雪計である。各測器の説明に関してはここでは触れない。
アメダスの各気象要素のデータに関して簡単に説明すると、降水量は1時間の合算(前正時からの1時間)で0.5mm単位で測定される。風向・風速は正時前10分間で平均した風向・風速値である。よって、最大風速は観測できても最大瞬間風速は測定されない。日照は前正時からの1時間で日照のあった時間の合計で0.1時間単位で0〜1の間の値で通報される。また、「0」と「−」は、前者は0.1時間に満たないが日照があったことを表し、後者は全く日照が無かったことを表す。日照の有る無しの閾値は0.12kW/m
2となっている。これはWMO(世界気象機関)で1981年に決議されたものである。積雪の深さは1時間ごとに、1cm単位で測定される。
データの収集に関しては、公衆電話回線を用いているが、回線が通じていない山間部では、測定された降水量データを無線通信によって管轄の気象官署まで通報できる無線ロボット雨量計が設置されている。
また、最近では定時以外にも、観測所において10分ごとの雨量または風速計の計測値が、あらかじめ決められた基準を越えた場合には、そのデータが臨時に地域気象観測センターに送信され、臨時報として通報される。この機能は大雨や強風のリアルタイムの監視や適切な予警報の発令に役立っている。アメダスのデータは、気象官署での地上気象観測データと同様に長い期間について統計され、気候資料としても利用されている。アメダスの気候統計は、その細かい地域分解能ゆえに局地的な気候・気象的特徴の把握を容易にするものである。
参考文献
新田 尚・伊藤 朋之・木村 龍治・住 明正・安成 哲三, 2002 : キーワード 気象の事典。 朝倉書店, 520頁。
天気予報技術研究会編集, 1994 : 最新 天気予報の技術。 東京堂出版, 282頁。