凝結過程・併合過程
一言解説
併合過程の説明図 雲の中にすでに大きさの違う雲粒が多数存在していたとしよう。大きな水滴は小さい水滴より落下速度が大きいから、大水滴は小水滴に追いつき、衝突、併合して大きくなる。大きくなると落下速度も大きくなるからもっと速く小水滴に追いつき、併合し、さらに大きくなる。図1においては、大きな水滴は単位時間に黄色の領域にある小水滴とぶつかり併合することになる。これによって水滴の半径は加速度的に大きくなる。これが併合過程である。
併合過程のほかに、水滴が大きくなる過程として凝結過程がある。これは、水蒸気で過飽和(水蒸気密度が平面の水面に対する飽和水蒸気密度より大きい状態)になった空気の中で、水蒸気分子が水滴に向かって拡散し、水滴の上に結合していく、雲粒、水滴の成長過程である。この過程においては、半径の小さい水滴ほど速く成長するため、やがて雲粒の大きさは一様になり大きな雲粒はできにくい。この成長過程のみでは雨粒を作り出すのに異常に時間がかかってしまう。
水蒸気の凝結過程と水滴の併合過程による水滴の半径の時間変化の模式図 図2には、凝結過程、併合過程によるそれぞれの水滴の成長速度を示している。先に述べたように凝結過程だけでは、ある程度水滴が大きくなると、成長が遅くなるが、併合過程においては逆にさらに成長速度は速くなっていることが分かる。雨粒は併合過程があることで形成される。

参考文献
小倉 義光, 1999 : 一般気象学[第2版]。 東京大学出版会, 308頁。