■一言解説
図1は、1948〜2005年で平均した1月の北大西洋付近の海面気圧分布を示している。グリーンランドとアイスランド近海に明瞭な低気圧がある。これがアイスランド低気圧で、北半球の冬季に明瞭に解析され、夏季には消滅する。一方、北緯30度付近の海洋上には高気圧が解析されている。これがアゾレス高気圧であり、亜熱帯高気圧の一つである。この高気圧は季節よって位置の違いはあるものの、年中解析される高気圧である。
■詳解
アイスランド低気圧
太平洋のアリューシャン低気圧に対応する北大西洋北部の半永久的な低気圧である。北米大陸やメキシコ湾で発生する低気圧は北米大陸東岸を北東に進み、発達して、アイスランド島を中心とした海域で最終段階を終える。
アゾレス高気圧
極と赤道との温度差により、赤道付近で上昇して上空で極に向かって流れる空気が亜熱帯上空で集積して、その一部が沈降し、亜熱帯地域に帯状の高気圧を作る。この半球的な大規模な流れに由来する亜熱帯高気圧の1部である。アゾレス高気圧は年間を通じて明瞭に形成され、冬はその中心が少し南下する。この高気圧の南半分で吹く北東の風が大西洋の貿易風で、この気圧と風の系は広くメキシコ湾にまでのびている。
アイスランド低気圧とアゾレス高気圧の強弱は、ヨーロッパの冬季の気候に大きな影響を与える。両者が共に強いとヨーロッパの冬は温暖多湿となる。逆に弱いと寒冷となる。両者のこの強弱関係はテレコネクションの一つである北大西洋振動(NAO:North Atlantic Oscillation)と呼ばれる。詳細はNAOのページを参照していただきたい。