テーパリングクラウド
一言解説
赤外画像で捉えられたテーパリングクラウド 右の気象衛星の赤外画像では、枠線内に先の尖った白い雲が映し出されている。このようなにんじん形をした積乱雲より構成される雲のことをテーパリングクラウドと呼ぶ。テーパリング(tapering)とは、「だんだん細くなる」という意味で、この雲は風上側にいくほど細くなっている。この先の尖った部分では、しばしば豪雨、突風、雷、雹など激しい現象を伴うことが多い。テ−パリングクラウドを構成する個々の対流雲域は上・中層風の下流側へ移動することが多いが、ほぼ停滞したり、時には風上側に伸びる対流雲列上に発生することもある。

詳解
テーパリングクラウドの発生しやすい環境場の模式図 テーパリングクラウドは季節を問わず発生するが、発生しやすい条件を図2にまとめた。まず、積乱雲が発達するために、大気の成層が強い対流不安定でなければならない。つまり、下層には湿潤で暖かい(相当温位の高い)空気が流れ込んでおり、逆に上・中層には乾燥した(相当温位の低い)空気が流れ込んでいる状況が好ましい。つまり、温帯低気圧や前線の周辺及び暖域が発生しやすい場となる。そこに上層で発散場があれば。下層が収束場となりやすく積乱雲発達にさらに好的条件となる。次に、上層の風が強ければ積乱雲の上部が風に流され風下で大きく広がり、全体としてにんじん形となるため、上層に比較的強い風が吹いてなくてはならない。また、風の鉛直シア、つまり上層と下層で風の強さ及び方向が異なれば形成される。上層と下層で風の方向、強さが同じでは、雲全体がそのまま移動するのでにんじん形にはならない。テーパリングクラウドは時に移動することなく、同じ場所で停滞することがある。その時には集中豪雨をもたらし大きな被害を出す。特に梅雨時にそのようなテーパリングクラウドが現れる。