■一言解説
地表付近を除く上空の風は気圧傾度力とコリオリ力が釣り合った地衡風が吹いている。ここで一般に、極側は低緯度に比べて低温であり、空気密度は大きい。図1に示すように、地表では同じ気圧であっても、極側の空気は下層に圧縮されているため、上空ほど低緯度から極側への等圧面の傾斜は大きくなる。等圧面の傾斜が大きいということは、南北の気圧傾度が大きいことを意味し、地衡風の関係から考えれば、高度とともに東向きの地衡風速が増しているということである。このように、温度の水平傾度があるために地衡風が高度とともに変化していることを温度風の関係という。温度風は、北(南)半球では高(低)温域を右(左)にみるように吹く。
■詳解

温度風の関係は、地衡風の関係式(1)を気圧pで微分して、静力学平衡式(2)を組み合わせることで式(3)のように表すことができる。ここで、φはジオポテンシャル高度、f
0はコリオリパラメータ、α(=1/ρ)は比容を表す。
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(1) |
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(3) |
式(3)において、比容αの代わりに温位θを用いると温度風の関係式は式(4)のように表せる。
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また、温度Tを用いると次のように表せる。
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図2は80Wに沿った北半球の南北鉛直断面における1月の平均温度と東西風の風速分布を示している。これを見ると、西風の強い部分は水平温度傾度の大きい北緯30〜50度の上空にある。これは正に、温度風に伴って西風が強められた結果である。
参考文献
小倉 義光, 1999 : 一般気象学[第2版]。 東京大学出版会, 308頁。
小倉 義光, 2000 : 総観気象学入門。 東京大学出版会, 289頁。