熱雷・界雷・渦雷・熱界雷・転倒雷
雷雨を発生させる積乱雲は、激しい上昇気流によって湿った空気の塊が持ち上げられ、その中の水蒸気が凝結したり昇華したりしてつくられる。その上昇気流の発生原因の違いによって次のように分類される。

熱雷
主に夏に起こる雷で、強い日差しを受けて、地面付近の湿った空気が熱せられ、激しい勢いで上昇して雷雲になる。蒸し暑く、風が弱い日の午後から夕方にかけて発生しやすい。また、山岳部では、地形が複雑で、部分的に強く熱せられるため平野部より熱雷が起こりやすい。熱雷を起こす積乱雲は、大きさが10qくらいで、移動距離も短く、影響する範囲は比較的限られている。

界雷
暖かい空気の下に冷たい空気がもぐり込む前線付近で発生する雷で、前線雷とも呼ばれる。熱雷は主に夏に発生するが、界雷は前線によるため、季節に関係なく起こる。また、時間帯が決まっているわけでもなく、真夜中や明け方でも起こる。暖気と寒気の気温の差が大きいほど激しい上昇気流が起こるので、温暖前線よりも寒冷前線のほうが強い雷雨を伴うことが多く、前線が移動するにつれて、広い範囲に影響を及ぼす。

渦雷
発達した低気圧や台風などの中心付近で、周囲から吹き込む気流が、強い上昇気流を起こすために発生する雷をいい、低気圧雷ともいう。相対的に暖湿気流が流れ込みやすい低気圧や台風の南東側で発生することが多い。低気圧や台風と共に移動を共にするため、移動速度は速く、また高温であると雷は長時間持続する傾向にある。日本全体に広がるほど大規模に発生することもあり、大雨の原因となる。
熱雷・界雷・渦雷の説明図

熱(的)界雷
実際の雷は、これら3つの要因が重なって発生する場合が多い。例えば、熱雷と界雷が要因となって発生する雷は熱(的)界雷と呼んでいる。夏の激しい雷雨は、ほとんどが熱界雷によるもので、停電や交通障害、浸水などの大きな被害を出すことがある。

転倒雷
気温の高い湿った空気の上に寒気が入ってきた場合には、大気の状態が不安定になって、上下の空気が入れ替わる。その際、激しい上昇気流ができて発生する雷のことを言う。寒冷渦が接近することで発生する雷が、転倒雷の典型例である。